「話し合い」について研修

10月11日。前日に行った研究授業(←クリック)をもとにして、この日の午後に研究協議を行いました。

課題や時間の設定、グループにおける話し合い活動のさせ方や評価の仕方などを中心に議論。

最後はわたし(校長)から、「話し合い」を教育的にどう位置付けるか、グループ単位での話し合いのポイントなどについて助言しました。

助言の中で、戦後日本の国語科教育を切り拓いた大村はま先生の言葉を紹介しました。『教えることの復権』(大村はま/苅谷剛彦・夏子 ちくま書房)という書籍からの引用です。

〈大村〉 事前に一人でやってみて、たとえば夏子さんがここでなんと言うかわからないぞ、なんていうところが出てきたら、前もって考えておかないといけない。話し合いを指導するということは容易ならぬことですよ。それなのに、話し合いというのは先生が楽をする時間で、お気楽に「では互いに話し合ってください」なんて平気な顔して言うでしょ。それではまったく教えたことにならない
〈夏子〉 本気で瞬間瞬間の流れを読んで対応しようと思ったら、もう必死でしょうね。
〈大村〉 そう。だから話し合い指導は一日に何回もはとてもやれませんでしたよ。ほんとうに疲れてしまって。 

つまり、「活動」はあっても「学習」がなかったら、それは「学習活動」とは言えない、ということ。 黄色の網掛けの言葉は、わたしが若いころに先輩の教師からよく言われました。ある目的(ねらい)を達成させる具体的な指導のもとに目的的に行われる活動が「学習活動」なのです。

※大村はま先生はお亡くなりになりましたが、生前、一度だけ話をうかがったことがあります。興味のある方は「大村はま記念国語教育の会」をクリックしてください。「『研究』をしない教師は先生ではないと思います。」から始まる大村先生の言葉は至言です。 

次回の研究授業は6年の社会科。本校では、こういう研修を通して教員としての資質向上を図っています。